工務店や設計事務所を活用して、注文住宅の資産価値や費用対効果を最大化する方法を解説している記事です。新しい住まいを購入する場合、注文住宅や建売住宅、中古住宅、マンションなどの選択肢がありますが、一定以上の収入や資金があれば、品質の高い住宅工法や、家事労働の負担を減らせる住宅設備などが導入しやすい注文住宅がおすすめです。
注文住宅は、土地が含まれる分マンションよりも資産価値が低下しづらく、中古住宅をリフォームするよりも耐震性や断熱性などの住宅性能が高めやすいというメリットがあります。また、狭小地や不整形な土地での住宅設計に強みを持つ設計事務所であれば、都心の駅近の土地が選択可能になります。
この記事では、注文住宅の資産価値を高めるための5つのポイントや、住宅の費用対効果を最大化できる依頼先についてまとめています。また、共働き夫婦向けに、さらにメリットを受ける方法も紹介しています。
注文住宅について、資金計画と住まいのプランを一体的に検討できる相談先については、「設計事務所や建築家に住宅ローンの相談ができる?資金計画やライフプランも相談できる「お金デザイン」とは?」をあわせてお読みください。
目次
収入の多い都心部の共働き夫婦の住まいとして注文住宅はおすすめです
収入が高く住宅や資産価値や快適性にこだわりのある都心部の共働き夫婦の住まいとして、注文住宅は費用対効果が高めやすいおすすめの選択肢です。
注文住宅はマンションなどと異なり土地が資産になる、住宅性能や住宅設備に投資すれば資産価値を高められるといったメリットがあります。
設計事務所に依頼すれば、狭小地や不整形な土地にも対応しやすいため、都心の立地の良い土地が選択肢として検討できます。
また、耐震性や断熱性が高く間取りが使いやすいといった長期的に住みやすい住宅は、中古住宅をリフォームするよりも注文住宅で設計した方が低コストで実現しやすいといえます。
ハウスメーカーと比べた場合、設計事務所や工務店に依頼する注文住宅は、間取りの自由度が高く住宅設備のグレードアップなどが割安です。土間収納を設ける、家事動線を効率化する、自動洗浄機能付きのユニットバスを導入するなど、暮らしやすくするための工夫がより多く実現します。
さらに、注文住宅であれば、住まいの一部を賃貸として貸し出せる収益部分を設け、将来的にキャッシュポイントとして活用するといった方法も取りやすくなっています。転勤などがあったとしても住まいが資産になり、共働きを続けやすくなるといったメリットがあります。
都心の共働き夫婦が注文住宅の資産価値を高めるための5つのポイント
収入の高い都心の共働き夫婦が注文住宅の資産価値を高めるには、以下の5つのポイントが重要となります。
- 「SE構法」で耐震性や住宅性能を高める
- 土地探しから設計事務所のサポートを受ける
- 間取りや住宅設備を最適化して暮らしやすくする
- 住宅ローン控除を最大限に活用する
- 住まいに収益部分を設け、キャッシュポイントとして活用する
それぞれについて、詳しく解説していきます。
「SE構法」で耐震性や住宅性能を高める
耐震性や断熱性などの住宅性能が高めやすく、狭小地などにも対応しやすいため都心の注文住宅の工法としておすすめの住宅工法が「SE構法」です。
一般的な住宅工法(在来工法)やハウスメーカーの住宅と比較したときのSE構法のメリットとして、コストパフォーマンスの高さが挙げられます。
工務店や設計事務所が広告をあまり行っていないのに対し、ハウスメーカーはテレビCMやモデルルームの建設と維持管理などに費用がかかり、住宅の価格に広告費や営業費が上乗せされています。
そのため、SE構法の注文住宅を設計事務所に依頼した場合、住宅のグレードや規模などの条件が同じであれば、ハウスメーカーよりも費用が2割ほど安くなります。
また、一般的な木造住宅の工法である「在来工法」による住宅は、設計事務所や工務店によって対応力や技術力のバラつきがあるため、品質を安定的に高めにくい場合もあります。
SE構法の施工や工事管理には、技術の開発元である株式会社エヌ・シー・エヌから「SE構法登録施工店」として認定される必要があります。そのため、工務店の技術力が高く安定しており、高品質な住宅が実現しやすくなっています。
SE構法は、国土交通省の耐震等級認定や長期優良住宅の認定も取得しやすいなど、品質が高く費用対効果も高めやすいため、世帯収入の高い都心の共働き夫婦におすすめの工法です。
SE構法で高品質な住宅を実現する方法について、詳しくは「SE構法を設計事務所や工務店に依頼するポイント。注文住宅で高品質・費用対効果の高さを実現する方法とは」をご参照ください。
土地探しから設計事務所のサポートを受ける
収入の高い都心部の共働き夫婦なら、通勤の負荷や住まいの資産価値を高められる、都内の立地の良い土地を選ぶのがおすすめです。
都心部の交通利便度の高い土地は、地価下落が起こりにくいというメリットがあります。不整形地や狭小地などは、駅近など立地が良い場合でも比較的安価に購入できます。一例として、新宿区内では最寄り駅から徒歩5分以内の宅地が多く売り出されています。
また、ハウスメーカーでは対応しにくい土地形状であっても、設計事務所なら不整形地などでの設計に強みがあるため、土地探しから設計事務所のサポートを受けることで都心の土地の選択肢が広がります。
不動産仲介業者の場合、土地の法的条件をすべて把握していないケースもあります。また、設計事務所によっても対応が異なるため、土地探しや購入前の検討について事例やサービスの紹介を確認することが重要です。
土地探しからじっくりと向き合った西八王子の家は、長沼アーキテクツが土地探しからサポートした事例です。土地販売時には明らかでなかった購入リスクが、長沼アーキテクツによる土地購入前の役所調査で発見された経緯がまとまっています。
間取りや住宅設備を最適化して暮らしやすくする
長期にわたって暮らしやすいように間取りや生活動線が計画された住宅は資産性が高く見込まれます。また、時短や家事労働負荷の低減につながる住宅設備に投資することで、快適性を高められます。
設計事務所や工務店に依頼する注文住宅は、間取りの自由度が高く、食器洗浄機や自動洗浄機能付きユニットバスなど時短につながる住宅設備の選択肢も多いため、使いやすさへのこだわりが実現しやすいと言えます。
ハウスメーカーの場合、間取りや住宅設備の仕様などに制限がある場合が多く、住宅の価格に広告費用が上乗せされるために割高になりがちです。
一方、設計事務所や工務店に依頼する場合は、メーカーや仕様の制約なくこだわりの製品を割安で取り入れすることが可能です。
間取りや住宅設備によって、暮らしやすさを最大化するには適切な生活動線を計画することが重要です。設計事務所はさまざまな要望を反映した住宅設計に強みがあるため、長く暮らしやすく快適性の高い住まいが実現しやすいといえます。
住宅ローン控除を最大限に活用する
世帯年収の高い都心共働き夫婦の場合、複数の住宅ローン控除を受けて節税効果を高めるという選択肢があります。節税効果によって得られた余裕分を住宅性能に還元することで、資産価値を高められます。
住宅ローン控除は、条件によって控除額などが異なります。
- 銀行の住宅ローンや住宅金融支援機構のフラット35を利用して住宅ローン控除を受けると、10年間で最大400万円の税控除が受けられる
- 「長期優良住宅」の認定を受けた場合、控除の最大額が引き上げられ、10年間で最大500万円の控除が受けられる
住宅ローン控除は、2019年10月からの消費税引き上げに合わせて限定的に控除期間が延長されています。2019年10月1日から2021年12月31日までの間に居住を開始した場合、控除期間が13年となり、控除額がより多くなります。
住宅ローン控除額を大きくするその他の方法として、連帯債務型の収入合算で住宅ローンを組む、夫婦ペアローンを組むといった方法も取れますが、リスクや注意点もあるためファイナンシャルプランナー(FP)などのお金の専門家に相談すると安心です。
住宅ローン控除やライフプランを見越した住まいの相談については、「設計事務所や建築家に住宅ローンの相談ができる?資金計画やライフプランも相談できる「お金デザイン」とは?」で詳しく解説しています。
住まいに収益部分を設け、キャッシュポイントとして活用する
注文住宅の資産価値を高めるため、将来の転貸などを見据えた収益部分を計画する方法もあります。
自宅部分と賃貸部分をわけて配置することにより、将来的な収益化を見込めます。また、転勤などがあったとしても住まいによる収益が得られる、共働きが続けやすくなる、といったメリットもあります。
具体的な収益化の方法として、次のような例があります。
- 子どもが独立した後に、賃貸として収益化する
- 事務所兼住宅を計画し、SOHO部分を収益化する
- 自宅部分と民泊部分を分けて計画し、民泊部分を収益化する
住宅ローンを返済中の持ち家を他人に貸すことはできないため、住宅ローン完済後に賃貸部分を貸せるような住宅計画にする、事前に自宅と賃貸住宅部分を区分登記しておき賃貸部分は頭金で支払うといった工夫が必要となります。
また、賃住併用住宅を建てるために住宅ローンなどを利用する場合には、自宅面積が50%を超えること、賃貸部分は住宅ローン控除が使えないなどいくつかの条件があります。
こういった条件などによって、賃住併用住宅は自宅部分と賃貸部分のプランニングや動線において十分な検討が必要となるため、収益部分の設計に実績のある設計事務所などに依頼すると安心です。
収益部分のある住まいについて、詳しくは「東京で民泊を新築・建て替えで経営するときの建築的ポイント。賃住併用で事業収益を最大化する方法を建築士が解説」で解説しています。民泊を主に取り上げていますが、収益部分がある住宅のデザインポイントについては、SOHO併用住宅や賃住併用住宅にも応用可能な内容です。
ファイナンシャルプランナー(FP)でもある建築家なら、注文住宅の資産価値を最大化できます
都心の共働き夫婦の住まいの資産価値を最大化するには、土地探しから設計事務所などのサポートを受ける、耐震性などが高めやすいSE構法を採用する、住宅ローン控除を活用するといったポイントが重要です。
一般的に、これらのポイントをおさえるための相談先は、設計事務所、工務店、ファイナンシャルプランナー(FP)となりますが、それぞれサービスの範囲が異なるため、一体的な相談が難しいという側面があります。
・狭小地や不整形な土地にも対応できるため、土地購入の選択肢が広がる ・住みやすい間取りや動線計画に強みがある ・住宅の総合的な品質コントロールができる |
・施工力が高く、品質の高い住宅が建てられる ・設計事務所との連携によって、間取りの工夫など住みやすさも高めやすくなる |
・無理のない住宅ローン借入額がわかる ・効率の良い住宅ローン控除の活用などがわかる |
長沼アーキテクツは、ファイナンシャルプランナー(FP)でもある建築家が運営する設計事務所です。SE構法による設計に多くの実績があり、土地探しなどのサポートや、住宅ローンの試算も可能など、設計事務所とファイナンシャルプランナー(FP)のメリットを併せ持った設計事務所です。
長沼アーキテクツの強みは、注文住宅の費用対効果の最大化です。FP資格をもつ建築家として、ご希望の住まいのグレードや住宅性能にかかる費用を正確に予測し、資金計画と一体的にを検討することで、住まいの費用対効果を最大化できます。
住宅性能を最大化できる土地と住宅への資金配分や、住まいにかかる総合的な費用や住宅ローン控除を見込んだ借入額などを適切に判断できるため、一般的な設計事務所よりも効率的に住まいの資産価値を高めることができます。
住宅とお金のプロのサポートで、資産価値の高い都心の注文住宅が効率的に実現します
都心の共働き夫婦が注文住宅を建てる場合、資産価値を最大化するポイントをおさえることで、費用対効果が高く住みやすい住宅が実現します。
- 耐震性や断熱性などが高めやすい、高品質な工法であるSE構法で建てることにより、総合的なコストパフォーマンスが上がる
- 資産価値の下がりにくい都心部の立地の良い土地を購入することや、土地探しから設計事務所のサポートを受けることで、割安な土地を最大限有効活用できる
- 長く住みやすい間取りや生活動線の計画や、家事労働の負担軽減につながる住宅設備に投資することで、住まいの資産性や快適性を高める
- お金と住宅のプロに相談し、住宅ローン控除の効果が最大化する住まいのプランを検討する
- 将来的な収益化を見越した住まいを計画するために、賃住併用住宅など実績のある設計事務所に依頼する
- ファイナンシャルプランナー(FP)でもある建築家なら、住まいにかかる総合的な費用や住宅ローン控除を見込んだ借入額などを適切に判断し、効率的に住まいの資産価値を最大化できる
長沼アーキテクツは建築家でありファイナンシャルプランナー(FP)でもある住宅とお金の専門家です。土地探しのお手伝い、SE構法での住宅設計、賃住併用住宅の計画、住宅ローン控除など資金計画について対応可能です。都心部で注文住宅を検討されている方は、ぜひお問合せください。
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